
東京都北区赤羽を中心に東京・埼玉・千葉・神奈川の保険のご相談を受け付けております、いけしん保険エージェンシーです。
保険という仕事は日本全国どちらのお客様でもサポートできることが魅力ですが、事務所がある土地柄、弊社には個人法人を問わず赤羽のお客様がたくさんいらっしゃいます。
今回は赤羽にある製造業のお客様よりご相談があった事例を、代表池原に取材する形でご紹介させていただきます。
(個人を特定できる内容は一部変更しています。)

社員数と共に増える企業のリスク
ーお客様とのお付き合いの経緯を教えてください。
赤羽の製造業のお客様でした。業種は詳しく言えないのですが、お付き合いは5年くらいになります。
ーどんな保険の契約をしていらっしゃいますか?
海外旅行保険の企業パッケージと、火災保険です。
ー今回のご相談というのは?
パワハラ・セクハラに関する保険についてお問い合わせいただきました。
社員が増えてくる中で、会社の管理体制が難しくなってきたと。そこで、パワハラ問題が大きくなってきたみたいなんですね。
「会社のマネジメント体制でなんとかするべきなんだけど、万が一の時の保険はありますか?」というお問い合わせでした。
ー実際にトラブルがあったのでしょうか?
パワハラかどうかは定かでなかったようなのですが、それと疑わしい出来事は耳にされていたようです。
従業員からの訴訟は年間1500件超
ー実際、パワハラ保険というのはあるんですか?
「雇用慣行賠償責任保険」という保険があります。再就職までの休業補償や精神的な慰謝料を補償するものです。
パワハラはもちろんあってはいけないことですが、こういった保険があることで、企業としても万一の時に助かる一面があるわけです。
ー社員数が増えると、どこで問題が起こるかわからないですからね。
そうですね。しかしパワハラが進んでうつ病に発症したり自殺してしまった場合、雇用慣行賠償責任保険では対応しきれません。
そういう場合のために「使用者賠償責任保険」という保険があります。うつ病自殺や過労死によって多額の賠償が発生した時も、会社に残っている従業員を守ることができるのです。
ー企業が従業員から訴えられるケースは、全国でどれくらいあるのでしょうか?
平成29年に精神障害で企業を訴えた件数は約1500件あります。そのうち企業側の責任と認定されたものは500件超です。
この中で自殺してしまったケースは約200件です。そしてそのうち約100件が労災認定されています。
つまり、訴えられたうちの約3割が労災認定されています。中でも自殺の場合は、約半数が労災認定されております。
ー請求件数は増えてきているのでしょうか?
増えています。
その背景として、2008年3月の労働契約法で、企業の安全配慮義務(健康配慮義務)が明確にされたことがあります。
うつ病で休業して、復帰後再度うつ病になった場合、企業側の責任が問われる可能性もあり、うつ病以外にも持病や高血圧、糖尿病についても従業員への配慮が必要とされています。
また、挙証責任(きょしょうせきにん)といって、従業員から訴えられた場合、会社側に立証責任があることも背景にあります。これも労働契約法に明記されています。
最近は働き方改革が声高に叫ばれていますが、2018年6月からの残業規制法案によっても、企業の責任が更に強まっています。
スマートフォンの普及により、企業を訴えれば多額の賠償金を得られるという情報の認知が広まっていることも理由の一つですね。
高騰する賠償金額、その理由
ー実際、賠償金はどれくらいになるのですか?
そもそも保険の考え方として、賠償金額が大きく発生頻度も高い場合は保険に入ったほうがいいとお伝えしています。
賠償のケースは先ほど言ったように、昔に比べて賠償請求の頻度は増えています。そして実は、賠償金も増えているんです。
ーなぜ賠償金が増えているのですか?
厳密に言うと賠償金が増えているわけではなく、障害年金の給付金を賠償金から控除しないケースが出てきました。
例えば、賠償金が2億円だった場合、これまでは今後受取るであろう障害年金1億2千万円を差し引いたものが支払い賠償金だとされていました。つまり8千万円です。
それが近年、障害年金は将来貰えることを約束されているわけではないので、賠償金2億円がそのまま企業に請求されるようになってきたのです。
ーうつ病以外にも請求されるケースは増えていますか?
脳卒中、心筋梗塞など自宅で倒れた場合も請求されますし、冒頭の話に戻りますがパワハラ、セクハラ、不当解雇での請求も増えていますね。
会社を守ること=従業員を守ること
ー身近なような、対岸の火事のような気もします。
すごく身近な話ですよ。
上司から部下へ教育の観点から指導したつもりでも、部下は指導としてではなく言葉の暴力と捉えたとします。これもパワハラのきっかけになります。
他にも、何気ない普段のコミュニケーションが精神的苦痛になることもあります。「仲良く話していただけなのに」賠償請求されることもあるのです。
社員の忠誠心が強く、熱心に働いてくれていたとします。会社と従業員は信頼関係があったとしても、うつ病になって自殺をした場合本人の意思とは関係なく、ご遺族から賠償請求されることも考えられます。
ーそういったケースはあり得そうですよね。
仮に生活習慣病で従業員が倒れて急死した場合、過剰な残業や急な配置転換(転勤)があれば、賠償請求されることもあり、企業は様々なリスクを抱えています。
ー悠長なことは言っていられませんね。
弊社にも遅くまで頑張ってくれている社員いますから。真剣に考えたほうがいいですね。
ー企業は従業員一人一人を守らなければいけませんが、そのためには会社も守っていかないと、従業員全体を守れないですからね。
そうですね。とは言え、まずは状況をお聞きしないと保険に入るべきかどうかもわかりません。まずはお気軽にご相談いただけたらと思います。
企業の賠償責任保険など保険に関することはなんでも、いけしん保険エージェンシーへお気軽にご相談ください!